アイデアのスープのレシピ

アイデアのレシピ集

夜の散歩

寂れた商店街

たまには夜にお出かけしようかとワイフと一緒に散歩した。昼間、久しく行っていない店の店主と出くわしたので、たまには行ってみようかということになった。ウチからすぐの商店街を入り10分ほど歩くと、昔映画館が密集していた一角にさしかかる。そのころは映画も二本立てで、丸一日時間が潰せた気がする。小学生の頃は映画を見るといえばここしかなかったし、毎週日曜日になると親父につれられて来ていたのが、親父との唯一の思い出だった。千日前と呼ばれたこの辺りも、いまでは郊外のシネコンに客足をとられて映画館はどんどん閉館していき、なんにもない通りになってしまった。夏になるとかき氷を売り始める饅頭屋はまだ健在なのだろうか。

路地

そんな寂れた場所に目当ての店がある。建物の入り口は昭和を感じさせる風貌。ここらも何年も変わらない風情が漂っている。若い時にはずいぶん来たのかも知れないが、よく覚えていない。近所の喫茶店のマスターいわく、ここらへんも昔はすごかった。らしい。今ではその片鱗も感じさせないほどにくすんでいて、そういった雰囲気の好きな若い人たちが新たに店を構え始めている。

静かな店

久々にコーラを飲む。薄い。。。でもコーラはうまい。

店が移転する前は瓶のコーラだったけど、大きい箱に移ってからディスペンサーを導入したらしい。今日はイベントがないから店内も静かだった。しばらくワイフと今後の事を話したりした。知り合って3年、結婚して2年。僕と一緒にいるのは大変だったと思う。

ウチにヘルプで入っている女の子が近々結婚するらしい。「結婚して好きな事ができなくなるのが嫌」だと言っていた。人それぞれに結婚観というものがあるらしい。僕は結婚して遊びに出るのを一切やめた。結婚したら遊びにいかないものだと最初から決めていたからだ。自分の親父を見ていて、家族が一緒にいない状況ということの悲しさが今になっても忘れられない。こうやってコーラを飲んでいるだけで幸せなのは、昔では考えられなかった。

やっぱりビールを飲むべきだったか。帰りにコンビニで発泡酒を買い求める。家で酒を飲む楽しさなんて、昔の僕ならまったく理解できなかっただろう。街も変わるし、人も変わる。