アイデアのスープのレシピ

アイデアのレシピ集

製造というより研究に近い仕事ですね

まあ、そういうことで、久々に機械メーカーの人が訪ねてくれたわけです。製菓業界についての情報交換ですね。コンビニ各社のラインナップも出揃い、今後どのような方向性に進むのかとか、あとは広義の食品業界について製造機器の観点からいろいろと話しをしました。まあ、ウチのような個人商店にコンビニとか関係ないじゃない、というわけではなく、コンビニの品揃えというのは微妙に消費をリードしているものも多いのです。誰もがそれなりに美味しいと思わせながら、目新しいものを提供する。ここにこそポイントがあると思うのです。逆に枯れた製法を使いながらレシピを焼きなおすということもあるけど。

生産性を上げるというのは製品の安定性にもつながる大切な要素だと思っているので、機械化というのは食品業界が進まなければならない道だと思ってます。手作りを標榜するパン屋でもミキサーやオーブンは使うわけです。労働集約型と言われている業界ですが、このままだと独立を目指す若者の心血だけが労働力ということにもなってしまいます。そうではなくて気軽にアルバイトでも高いクオリティーの製品を作り続けなければ、ウチのような無名どころは生き残れません。

職人の勘とかそういうものを数値化して残していかないと、製品寿命も短くなってしまいますしね。オペレーションも人のやる気にだけ頼っていてはどうにもなりません。安定した製品を安定して提供し続けることが求められるわけで、それによって販路が広がると小さな規模の工場でも世界を相手に勝負できる気がするんです。まあ、またこうやって大風呂敷を広げるわけですが、ちょっと本気なところがイカレてますね。はい重々承知いたしております。

女王製菓なんか、レシピを決めるときの基本配合は数式で求めます。糖度、粘性、水分量、添加物の性質など、何度もシミュレーションした後に試作に入ります。というよりも試作している時間がないので本番1発で製造に入ることが多いです。でも大体は思った通りの味や食感に収まります。なので、僕がいなくともExcelで作った自作のシミュレーションファイルだけで、誰でも新しいお菓子ができるわけです。使い方は異常なほど難しいけど。

製造というよりも研究をしているようなものです。どこの著名なメーカーも研究室があるんですね。それも勘に頼らず数値化されています。なので僕も研究を通して食品を作るという流れを習慣付けています。誰にも習わずオリジナルでい続けるというのは、オペレーションではなくてクリエイティブなのだと思っているのです。