アイデアのスープのレシピ

アイデアのレシピ集

【メモ】よく磨がれた刃物とそれを収める鞘。

昨日からの作業が終わらないんだけど20分ぐらいブログ書きます、昨夜ちょっといろいろ話している中でたとえ話として出たんですが、これは明日くらいに書こうかと思っているPRについての僕の考え方にも通じる物があるので、ちょっと忘れないうちにメモ代わりとして書いておきます。

セルフプロデュースという言葉が浸透しているというか、ここ10年くらいでインターネットを介してセルフブランディングされたプロダクトやサービスを流通させる仕組みが出来上がってきて、わりとプレイヤーも増えてきたのではないかと思います。それ以前は商品そのもののデザインに凝るとか意匠の特異性が一つの商品価値になっているとかそういう考え方って無かったような気がするんですよね。今は選ばれる要素として、最低限の機能が備わっていればデザインの善し悪しや所有者としてのプライドを心地よくくすぐられる何かに価値が見出される感じに移っていっているのではないでしょうか。

で、そのセルフプロデュースした何かを社会の中で正しく認知してもらいさらなる活動を正しい方向性で進めていくために、自分たちのプロダクトやサービスを伝えてないといけないのですが、その方法についてなかなかうまくいかない、あるいは努力に対して思い通りの結果が出ないということもあると思います。

ここ数年多いパターンとして私的な人的ネットワークを介して情報を広めていこうという、いわゆるサークル的な広報活動があると思います。イベントで集客したりそのためにフライヤーを大量に撒いたりするやりかたですね。それはそれで間違ってはいないと思いますしそれが集客や正しい認知に誘導していくことにつながることもあるでしょう。これは個人レベルでの創作活動たとえば手作りアクセサリーやなにかアート的な作品の展示であったり、習い事やスクーリングのお知らせのような、一般的には知名度は低いが個人レベルで強くつながる事で仕事の依頼につなげたり、単価の高い商品の販売に有効な手段だと思います。

これについてはいわゆる「食っていく」ためや「自己顕示欲を満たす」ためには十分な方法であるのですが、何か自分の立っている界隈を超えた世界で覇権と取ろうとかそういう野望を果たしていくには不十分です。存在を知ってもらうための努力と、自分が社会の中でどのような役割を果たす事で自分以外の人たちに利益をもたらせる事が出来るのか何のユーティリティープレイヤーなのかを正しく認知してもらうのは全く異なることなのです。

正しく知ってもらうにはまず自分の機能を絞って発信する事です。いろいろな事が出来る能力を持っていても、それを全部ひけらかしてはいけません。社会の中での役割を正しく認知してもらうというのはブレない座標にくさびを打つということです。非常に硬い岩盤に穴を開けるというのは難しい事ですが、先の尖った硬いくさびを強く打ち付ける、狭い面積に強い圧力を加える事で社会と自分の間に横たわる厚い壁や膜を突き破る事が出来るのだと思います。まずは社会と接する面積を小さく絞りましょう。表面積が広くなると加えた力は分散して面積当たりに加わる力は弱くなります。

飲食業の場合は社会からの要求というのが流行という形で分かりやすく見えてくるので、そこに対して適切な店舗を出店して時代にあった商品とオペレーションを仕掛ければそこそこ失敗はありません。飲食業は創造的な事業というよりも、時間軸の中で需要を探りながら自分が提供しうるサービスを流行に合った形にアレンジしていかに早く出店するかという感じで、需要のストリームの中でフライフィッシングをしているような物だと思っています。

作ってるプロダクトやサービスだけではなく個人の人となりにフォーカスされる場合が多いので、そこが別れ道になる場合もあります。あと一歩という所から進めなくなってしまう人たちの分岐点はここに多くあります。

ちょっとメモ代わりに書いたのでバラバラですがごめんなさい。

社会での認知度(知名度ではない)を上げたり、いろんな人に自分を正しく知ってもらうために、知ってもらうための努力をする人が多くいますがこれは間違いです。知ってもらうのではなく、自分のことを知りたいと思わせることが重要です。変な喩えですが、刃物を振り回してあたり構わず切ろうとするよりも、何でも切れるように刃をよく磨いでおく事の方が大切です。切ろうとせずとも切れる刃を持つ事がよく切る近道です。刃を磨がずにいかに切っても刃の切れ味は落ちるばかりです。何でも切れるよく磨がれた刃物も持ち、自分の身を切らせないためにどんな刃物でも切れない鞘に収め、使い時を誤らないためにも、機を見るに敏であることを心がけるのが大切なのかと思います。これはたとえで僕がよく使う「嚢中の錐」の話しにも通ずるものがあります。