アイデアのスープのレシピ

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岡山駅で「ももたん」が買えなくなった事の経緯。

今週に入ってから、岡山駅の直営店の閉店について毎日のように問い合わせメールが届きます。すげえ数です。

 

みなさん僕の意思で撤退したと思ってるみたいなんですが、それは逆でしてね、僕は駅に対して店舗面積の拡大を申請していたぐらいで、自ら撤退をしたわけではないんですよ。

 

今月末にはわかると思うんですが、ウチが出店していた場所には源吉兆庵のチョコレートブランドと和菓子の新ブランドが出店することになってます。

 

ということで、閉店に至った経緯としては、源吉兆庵が出店するからナショナルデパートは出て行けやクソが、という通知が岡山駅からウチに対して来たわけです。

 

駅に残りたいという意思表示をしても良かったんですが、この話自体もデベロッパーの社長と源吉兆庵の社長のトップの間で決まった話なので、僕のような木っ端お土産メーカーの社長なんて入り込む隙なんてないわけです。

 

とはいえ、今もこうやって岡山駅で「ももたん」が買えなくなることを悲しむお客さんからのメールが後を絶たないわけですが、そういうお客さんの声を無視するのが、今の岡山駅に限らず、岡山の観光や行政の現状なんですよね。現実が全く見えていない。

 

お土産売り場というのは観光の最前線です。その売場を見たらその土地がどういう観光政策を打つのかが一目瞭然です。 岡山で言えば、きびだんごという単なる求肥(ぎゅうひ)や、果汁が1%も入っていないようなゼリーや、他県の業者が作ったOEM製品や、岡山とは縁もゆかりもないアニメキャラクターとのコラボ商品がお土産売り場に並ぶわけです。これが岡山の観光の姿勢なわけです。

 

自分たちの土地をどう感じて欲しいか、自分たちのことをどのように印象づけて欲しいか、そういう観光に必要なことは一切やらないのが岡山です。だからお土産市場全体の市場規模が、広島のもみじ饅頭メーカー1社の売上にも満たないわけです。分かります?

 

そこに僕がいたって意味ないでしょ。

 

岡山のお土産売り場に自分の商品を並べてもらうには、岡山駅なら売り場の担当者にいくらキックバックを渡すかとかが重要で、岡山駅側からしてみたら、お客さんが求めている商品を並べようなんて全く考えてません。岡山の観光関係者がお客さんの方を見ていたら、知事がキチガイの真似をして広告を打ちまくったりせず、もっとソフト面で有効な手段を打っていると思います。

 

でも、岡山でも一部気骨のある売り場の方は「ももたん」のもつ意味や、僕の岡山の観光に対しての思いを酌んでくださって「ももたん」を並べてもらっています。それが岡山空港だけだったというわけです。

 

よく勘違いされて「秀島は岡山を捨てた」とか、「ももたんのファンのことなんか考えてないのか」とか言われるし書かれますが、そういうことではないんですよ。単純に岡山を追い出されただけなんですよ。

 

まあ、でも「ももたん」は全国にファンがいるので、今後は全国向けに、またパリでも人気を得ているわけですから、これからは世界へと出て行くしかないわけです。岡山では観光に携わる人の中に「ももたん」の価値が分かる人が皆無だったという簡単なことなんですよ。

 

 

追記

 

じゃあ、岡山駅の店を閉めて今なにやってんの?ということですが。岡山の工場はスタッフに任せて、岡山を追い出された僕は都内某所でパンを焼いてひっそり暮らしています。空いた時間で、ご依頼をいただいた「ももたん」のコラボレーションの企画をやったり、海外向け製品の企画を立てたり、その他のさまざまなプロダクトをプロデュースする新会社の設立準備を進めていたりします。

 

岡山のおみやげ業界に参入して3年ですか、いろんな経験をさせていただきました。結果としては岡山から追い出されてしまったので、岡山では何も出来ませんが、お声をかけていただいている他の地域のお土産プロデュースなどを進めていきます。写真を見ていただくと分かると思うんですが、穏やかな表情をしています。いまは心穏やかな、すごく幸せな毎日を過ごしています。

 

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