アイデアのスープのレシピ

アイデアのレシピ集

思わずカフェを開業・起業してしまう若者におすすめの情報があります。

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開業・起業を目指す若い人が多いですね。セミナーや◯◯アカデミーといった開業支援や起業支援サービスもたくさん出てきました。開業や起業をすると、最初は知らないことばかりで戸惑うことも多いと思います。家業を継いだり、社内ベンチャーでない限り、新しくビジネスをスタートさせる人の多くがマイクロビジネスと呼ばれる個人事業主および従業員5人以下の法人ですから、開業・起業した時点から経営のすべてを考えなければいけなくなるので、もし20代で経営者となったなら、その大変さは計り知れません。

ここ数年で、起業、フリーランス、ノマドワーカーなどなど、独立してやっていくことを表現するキーワードがたくさん出てきました。ネット上でこれらのキーワードが生まれるたびに、会社勤めではない働き人生を選ぶ若者の選択肢は増えているようにも感じます。会社勤めという選択についても、働き方を指南するセミナーや講演会に多くの若い人が参加して、単にお金を得るためだけではない働き方を模索する仕組みも出てきました。

 

トレンドの形成とベンチャー

独立して会社を設立する、あるいはお店を出して個人事業主として税務署に届け出る、そういった独立して創業する場合や、新卒で就職したり転職する場合、どのような業種を選択するかは、決定を下すタイミングでの社会のトレンドに大きく左右されるように思います。

今のトレンドキーワードだとフィンテック、ブロックチェーン、AIでしょうか、もう古いかな。その逆方向の地方への移住というキーワードもありますね。そういったトレンド形成する要素として「ベンチャー」という言葉があります。

今のトレンドは「ITベンチャー」からの系譜で主にICTを利用した事業が多いですが、その昔1970年代の第一次ベンチャーブームだと日本電産やキーエンスなどの「ハイテクベンチャー」や、すかいらーくなどの「外食ベンチャー」、1980年代の第二次ベンチャーブームにはエイチ・アイ・エスやソフトバンクやTSUTAYAのCCCなど、1990年代の第三次ベンチャーブームは今に続くいわゆる「ITベンチャー」、その隙間には「環境ベンチャー」や「流通ベンチャー」など、さまざまな「ベンチャー」と呼ばれるトレンドが生まれてきました。

 

 

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起業開業トレンドの死屍累々

起業する場合でも就職する場合でも、安定を求める他の選択肢として「これからは◯◯だ!!!」とか「これからは◯◯の時代が来る!!!」と言って新しい時代の幕開けに心をときめかせて突き進む若者たちは昔からいたわけです。しかし、その過程には「これからは介護だ!」と突撃していった人たちの死屍累々もあるわけです。

社会の中でトレンドが形成され始めると、テレビや紙面で関連するキーワードが多出し、これもまたトレンド形成を加速させます。これは新しい業界が生まれたときに生じる人手不足と関係があることが多いような気がします。何かムーブメントが起こると、必ず末端の作業従事者は不足します。そういうときにメディアでの情報の露出が増えてきます。これもトレンドのなせる技です。「これからは介護だ!」と突撃していった人たちの死屍累々は、ここに起因しています。

 

 

起業開業の傾向はトレンドに寄り添う

と、トレンドを追って起業開業すると、時代が去った後に死屍累々の山が築かれると言いながらも、世の中は情報で溢れているために、意識していなくてもトレンドから逃れられない環境にあるといえます。そして、起業開業の一歩としてのマイクロビジネスではトレンドが強く作用します。未経験の状態では少しでも情報が欲しいので、自然とトレンドに引き寄せられていきます。開業の参入障壁が低い飲食業が分かりやすいので、ここ数年で出てきた業態ブームをちょっと挙げてみます。

 

・バル

・肉

・ワイン

・コーヒー(カフェ)

 

見たことあるものばかりですね。これらの業態は、初登場のブームもあれば、何年か周期でブームが起こるものもありますが、バル、肉、ワイン、コーヒーを主体とした業態の新しいお店は、いまやどんな地方に行っても必ず一店舗以上はあります(コーヒーはまあ昔からありますが)。食の業態ブームは食の雑誌などが煽って火がつく場合が多く、先に書いたようなキーワードがdanchu誌面に踊る度に、「これからはバルの時代だ!!」とか、月刊専門料理を読んで「これからは肉が流行る!!」とか、料理通信を読んで「これからはワインブームだ!!」とか、PenやBRUTUSを読んで「これからはデリシャスネスでホスピタリティに溢れたサスティナビリティを実現するコーヒーショップだ!!」と突撃していく者が後を絶たず、最終的に、

 

「ワインにこだわった肉バルのカフェをやるぞ!!」

 

というトレンド全部入りの化物パワーワードが登場したりします。まあ、でも、こういう店が実際にあったりするので世の中は広いですね。

カフェブームの起こりは20年前の駒沢のバワリーキッチンですが、その後5年か4年周期でカフェ起業ブームが起こっています。食事を主体とした業態から大箱カフェ、コーヒーのみならず紅茶や日本茶を提供する業態、オーガニックにこだわる店、一口にカフェと行っても様々な様態に枝分かれしました。最近ではブルーボトルに代表されるようなデリシャスネスでホスピタリティでサスティナビリティなコーヒーショップがブームですね。

起業する場合、社会情勢を参考にして需要をキャッチしたり、目に触れたトレンドに影響を受けることが多いので、いわゆるブームになった業態が同時発生的に増えてくることがままあります。小さい頃から◯◯をやるのが夢だったという動機もあると思います。しかし、最初の起業開業の傾向はおおむねトレンドに寄り添う形で変化していきます。

 

 

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20代の開業は憧れから始まることが多い

大学を卒業してすぐに、あるいは会社勤めやフリーターを経て20代でお店(会社)を開業(起業)するキッカケは、身近にいるプチカリスマ的な存在や、ネットや雑誌で触れた人物やカルチャーに影響を受けることが多いと思います。

学生時代の仲間や会社の同僚や上司から影響を受けるというよりも、自分を取り巻く日常の範囲ではなく、メディアに登場するようなキラキラとした外の世界で輝いて見える存在の背中を追う、というニュアンスがあるかも知れません。著名なビジネスパーソンがSNSで発言する内容にココロオドル体験をしたり、自分もああなりたい、という憧れを抱くのは悪いことではありません。

20代の起業開業は、固定された社会の関係性から解放されて一国一城の主になるという挑戦です。しかし、20代の起業開業では、そこまでの経験値も無いため、自分が起業開業した場合のシミュレーションがなかなか難しかったりします。そういうとき、SNSやメディアで発言するキラキラしたビジネスパーソンに憧れを抱き、ひとつの目標とする。20代の起業開業は憧れから始まることが多い理由だと思います。

卵から孵った雛が最初に目にしたものを親だと思うように。。。

 

 

成功モデルのスタート時と自分を重ね合わせる

マイクロビジネスとしてのカフェや喫茶店は、起業開業のコンテンツとしては最初に思いつく業態かもしれません。イニシャルコストがかからず、小規模なら一人で運営できる。そしてブルーボトルに代表されるような、スモールスタートから世界的な知名度を得るという成功モデルもストーリーとしては完璧です。

コーヒーを自宅のガレージで焙煎し、ファーマーズマーケットで売り始めたブルーボトルコーヒーが、数年後には世界的企業のネスレに600億円以上の額で買収される。そしてそのスタートであるコーヒーを焙煎して抽出して提供する、という行為は自分にでもできるとしたら、夢や憧れを抱いてカフェを開業する人が増えるのも納得です。

そして、そんな感じで夢を抱く若者を手ぐすね引いて待ち構えているのが、カフェの開業・起業支援のセミナーやスクールたちです。卵から孵った雛鳥を一網打尽にしようと彼らは網を張っています。「カフェ 開業」で検索すると、甘い言葉が踊りまくっていますので、社会の厳しさをすぐに感じることができるでしょう。釣り人たちは綺麗なルアーを磨いて釣果を競っているわけです。食う者、食われる者、その需給はすべてはトレンドに寄り添うのです。

開業支援サービスが増えるということは、トレンドが終りを迎えつつあるということを知っておいても損はないと思います。

 

f:id:kocb:20170926205615p:plain社会の厳しさを感じさせる検索結果

 

コーヒーでの起業開業は敷居が低い

飲食業で開業しようとしている20代の人物がいるとして、特に長い修行経験もなく、実家が飲食店を営んでいるわけでもない場合、興味のある業態で開業を計画し始めると思います。今は開業支援サービスも増えてきていて、会社勤めをしながら開業セミナーに参加して、事業計画を練っていくという選択肢もあります。仮にコーヒーで起業開業するとして、その環境を見てみましょう。

 

コーヒーでの起業開業

参入障壁:低い

客単価:低い

年齢層:低い

情報:多い

 

カフェについては昔から参入障壁が低いと言われてますが、こだわったコーヒーを提供するお店が増えてきた昨今では、コーヒーに関する知識や、提供のノウハウ、焙煎なども自らおこなって差別化を図るなどを考慮すると、エスプレッソマシンや焙煎機など高額な設備が必要になる場合があります。開業支援サービスが多いので、ロースターやコンサルの開催する講習会やセミナーから開業へという流れもあるために、試行錯誤して夢をかなえるというよりも、「自分もあんなカッコいいことがしたい」とか「自分もあんなカッコいい店を持ちたい」という欲望を金で買う。街で女性をナンパするよりも飛田新地に行くほうが効率的だという、スマートでシンプルな考え方は、さすがデジタルネイティブ世代と言えるでしょう。

しかし、参入障壁が低く、セミナーなどで開業までの情報は簡単に手に入りますが、客単価は低いし、客は長時間粘るし、お年寄りの客はなぜか説教したがるし、カフェの開業は簡単ですが、それは業火の地につながる地獄の門を開いたに過ぎないのです。

 

 

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カフェの開業・起業を考えている若者にオススメの情報

で、ここまで書いておいて、実は私もカフェをやってましてw

私が20代の頃、もう10年以上も昔の話なので時勢も変わってますが、その後もカフェに関する人たちとの交流もあって、何か情報があると気にして読むようにしています。カフェのブームの周期を読むのは面白いもので、昔の自分のように20代でカフェを開業しようとする若い人は世代に一定数は必ずいて、栄枯盛衰さまざまなドラマの痕跡を刻んでいきます。

私がカフェを開業したときに、同時期に開業した仲間たちはみんな今も生き残っています。しかし、みんな業態を変えて時勢にあったビジネスに転向しているというのが共通点です。私も、カフェだけというのは2年足らずで、その後に製パン業、そしてお土産菓子の製造卸と転向して生き残ってきました。今となっては、カフェだけでは売上1億もいかないよなあ〜、と簡単に想像できますが、でも、若いときの経験は貴重なので、ぜひ皆さんにも挑戦していただきたいですね。

 

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カフェは業態の転向がしやすく、他業態とのコラボレーションも容易なので、カフェからスタートして他業種に拡大や他店舗展開など、さまざまなチャンスがあるのも事実です。で、カフェの開業・起業を考えている、目指している若者に私からのオススメの情報があります。それは、、、

 

 

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カフェオーナーと寿司屋の大将、どっちを目指すかという選択肢を考えてみる。

 

突然過ぎて訳が分からないと思いますが、カフェオーナーを目指すなら、寿司屋の大将になるという選択肢も考えてみてはどうかという、やっぱり意味不明なオススメ情報です。どうして私がそう考えるのか、前掲のカフェの考察と同じようにファクターを挙げてみます。

 

寿司店での開業・起業

参入障壁:高い(イメージ)

客単価:高い(イメージ)

年齢層:高い(イメージ)

情報:少ない(イメージ)

 

これ、わざと(イメージ)と書いてあるのは理由があります。

寿司屋は修行しないといけない、魚の目利きが必要、客の年齢も高いというイメージがありますが、寿司店開業を取り巻く環境も変化していて、すしアカデミーなどの専門学校に通うことで短期間で基本的な技術を習得できる仕組みも整備されてきましたし、BtoBの鮮魚のネット販売業者も増えてきたので、長期間の修業を経なくても技術も習得できるし、目利きがなくてもスマホから注文すれば専門の業者が魚を届けてくれるという、参入障壁はかなり下がってきている感じがします。回転寿司などのが増えてきたおかげで客単価も下がり、客の年齢層も下がってきてます。この、世間とのギャップを利用しない手はないと思うのです。

寿司の修行云々についてはホリエモン氏も言ってましたね。寿司の学校を出た人が短期間でミシュランに載っちゃうなんて、夢あります。カフェを開業して、ミシュランに載れるチャンスはどれくらいあるでしょうか。

 

www.j-cast.com

 

カフェを開業するのは若い人たちが多いので十把一絡げ、石を投げれば若いカフェオーナーに当たります。しかし、寿司屋の大将は若いだけで注目を浴びます。客と自分の年齢差がバリューになり、中高年の客は若い寿司屋の大将を面白がって可愛がってくれるかもしれません。カウンターの寿司屋に来る客は、カフェで時間をつぶす若い客層よりも可処分所得が多いかもしれません。砂糖と脂肪とケミカルを求めるカフェの客と、丹念な仕事を求める寿司屋の客、さて、どちらがあなたのビジネスで求める客層でしょうか。

いつもどおり、意味のない内容でしたが、カフェをやりたい!と思ったときには、同じような開業資金で始められる他業態のことも調べて検討しても遅くはないかもしれないです。いろいろ検討した結果、どうしてもカフェをやりたい!という思いが強ければ、カフェを始めたら良いと思います。

最後にこれからカフェで開業・起業したいと考えている若者に素敵な画像とメッセージを贈ります。 

 

 

 

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スプーン一杯のウニ

 

 

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心を込めた一杯のカプチーノ

 

スプーン一杯のウニと、心を込めた一杯のカプチーノでは、ウニのほうが商品単価が高い。

 

 

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