アイデアのスープのレシピ

アイデアのレシピ集

キラキラしてない人がキラキラしたものを作っている。

印刷屋と最近作ったパッケージを並べて眺めながら反省会。設計が甘いね~、とかスジの圧が弱いんでないかとか、いろいろと意見が出てくる。でも、二人とも、いい仕事したね、という思いが強い。岡山に帰ってきて、おそらく初めて味わう満足いく仕事(というかこれは作業かな)。作りたいものが作りたいように出来た瞬間を味わえた。

工場が狭くていつも打ち合わせは道路の上とか下水溝の路地のコンクリート塀とかで、およそオシャレ感とは縁遠い感じで仕事を進めてきた。僕はずっとデスクワークか工場の手伝いなので短パン姿か工場の白衣、印刷屋は普通にスーツ姿。この二人の組み合わせがすごいクオリティーの仕事を連発している。

小汚いおっさんが、あーでもない、こーでもない、といいながら深夜まで仕事をして、印刷所にデータを送るギリギリまでデザインのアイデアを絞り出す。もう寝る暇もないし、毎日のように朝になったらへろへろになっている。僕らはオシャレな服も着ていないし、オシャレなライフスタイルで生活をしているわけではないし、外見はおよそ一般に言われるクリエイティブ系な感じなんて微塵もない。

でも、そんなヨレヨレの太ったてハゲたオッサンが夢を追って、それにまた夢を見てくれる普通のオッサンが力を貸してくれる。一見オシャレだったり、一見クリエイティブ風な外見だったりする人がやるような仕事を、セルロイドのメガネもかけてない、高価な自転車にも乗っていない、音楽やアートにもまったく詳しくない、まったくオシャレとは無縁の普通のオッサンがやっている。

なんとかアイデアを形にする流れが出来てきて、ここからの僕の仕事はこれをいかに日本に世界に広めていくか。ということに仕事のウエイトが移ってきたわけです。キラキラしてない人がキラキラしたものを作っているっていうのは、絵にならないんだけど、クライアントワークではなく、自分で考えて自分で形にして自分で売っていくというのは、格好つけて出来るような易しいものではないんすよね。

まあ、コーヒーやトマトソースをこぼしたままのシャツを着て街を歩くんは考えもんだから、ちったあ身綺麗にしたほうがええかなと思うけどね。ニッセンで新しいシャツでも買おうかな。