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地方が自立できない理由

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僕はいろんな仕事を並行してやっているので、さまざまなシーンで地方の現状に触れる機会を得ます。

そんな中で見た地方が自立できない理由について。

まず、地方が自立できない原因について、以下の二つを挙げておこうと思います。

 

予算を使い切らなければいけない矛盾

親戚を雇い身内で固めようとする習慣

 

地方には多額の補助金が投入されます。これは六次産業ブームの時にもあったんだけど、補助金はだいたい建物や機械などの設備に使用する目的に限定される場合が多くあります。これが必要以上の設備を揃えてしまうオーバースペックを生みます。

また、地方では狭い範囲の社会で長期間を過ごさなければいけないので、人間関係の軋轢が一生を決定づけてしまう場合が多く、不要な摩擦を防ぐために親戚などの血縁者を登用して、辞めさせにくい状況に陥ってしまい、不要な人員が大量に存在するオーバースタッフな状況を作ってしまいます。

 

オーバースペック(不必要な設備)

オーバースタッフ(不必要な人員)

 

オーバースペックは稼働率の低下を招き、オーバースタッフは単純に人件費が経営を圧迫します。

十分な設備があって十分な人員がいるなんて理想的じゃないかと思う人もいるかも知れませんが、実はこれが地方が自立できない大きな原因になっていて、どういうことかと言うと…

 

設備と人員がオペレーション側に集中している

という現状が足を引っ張っていると考えています。

 

建物や機械などの製造設備は揃っている、製造に関わる人員も豊富にいる、しかし、設備を効率化するプログラムがない、プロダクトを設計する設計者がいない、完成品を売り込む営業がいない、マーケティングを行うマーケターがいない。という状況です。

「動く人」はいるけど「考える人」がいないということです。

オペレーションは充実しているが、クリエイティブが存在しない。

事業を考える人がいないのに、製品を作る設備と人員だけが大量に存在している。これでは結果を最大化できません。事業をクリエイションできないわけです。どうしてこのような状況に陥ったかというと、地方の人達の意識に原因があると考えています。それは、

 

 

知恵とお金が外から来ると思っている

という考えが蔓延しているのが原因です。

自分たちは真面目に働きさえすればお給料がもらえる。どうすべきか、何をすべきかは、どこからか誰かがやってきて教えてくれるだろうという甘い考えがベースにあります。

これではコンサルに食い物にされるだけです。

また、どこかで事業にブーストをかけないといけないタイミングというのは色々な場面であるわけだけど、考える習慣が身に付いていないので、やらなければいけないことを先送りにしてしまい、仲の良い人間関係の中で現状の不満を言い合うような悪循環に陥りがちです。

本当は仕組みづくりなどのデザイン、マーケティングなどのクリエイティブに最初に資本を投下するべきなんですが、補助金消化や地縁の円滑化のためにいオペレーションパートに資本が投下されてしまいます。

これで「図体は大きいけど頭脳がない」といういびつな構造になるわけです。

自立とは文字通り「自ら立つ」ということです。

 

自ら立つ足を持ちながら、立ち方知らない。

 

これが自立できない地方の姿だと思います。