アイデアのスープのレシピ

アイデアのレシピ集

2024年大反省会

ナショナルデパート秀島です。

2024年もあと数時間で終わりですね。

今年も色々ありました。

というわけで、久しぶりに大反省会を。

1年間を振り返るのでちょっと長くなるかもです。申し訳ない。

ここまでの経緯をご存知ない方はきっかけとなるブログをお読みいただくと本エントリーの内容が分かりやすくなるかもです。

kocb.hateblo.jp

さて、

まず最初に今年の総括を一言で表現すると、

「時間がかかってしまった」

という一言に尽きると思います。

とにかく何もかもに時間がかかり過ぎた。

過去の大捲り経験からすると、窮地に立たされた瞬間にアイデアが出て、それを形にして発売して、というところまでがだいたい1日~2日間で、3日目には売り上げが出てすぐに経営は改善する。という過去の実績通りに考えていたんですが、難しかったです。

1月からいろいろ試し始めて、6月まで鳴かず飛ばず、6月からも試行錯誤を続けて、10月に東武百貨店で販売などなどいろいろありましたが、やっと方向性が決まったのが12月半ば、そして…

支援してくださった方々にもなかなか良い報告ができずに本当に申し訳ないです。

6月末に支援を募り、そこから経営を立て直すための新商品を考え始めたのですが、まったく決まらず、というか思い浮かばず、アイデアの種すら僕の頭の中から消えてしまったんじゃないかと思い、けっこう絶望してました。

「昔と違う」感じがするのは、僕が歳を取っただけではなく、やはり脳梗塞の影響があるんじゃないかという、割と自分の力だけではどうしようもない能力の低下に悩まされていました。

とかいいながら、この半年で発売した新商品は220アイテム以上あり、販売はしたけど消しちゃった商品や、試作して撮影して販売する直前に「やっぱやめた」となった商品を入れると、300アイテムは余裕で超えます。1日に2アイテムを作ってることになります。パッケージと栄養表示の製作も並行して進めるので、もう頭の中がパニックです。

脳梗塞前なら同じ期間で500や1,000くらいの新商品は出してたと思うんですよね、商品がヒットする確率が同じなら、試行回数が多い方が有利に決まってるので、手数勝負ができないとなると、ちょっと考え方を改める必要があるかもです。

何を作ればいいのか、今のタイミングで社会に問う商品として何がふさわしいのか、自分の技術の範囲で作れる商品と、作るべき商品に必要な技術で僕が新たに習得しないといけない技術は何か、全くゼロからのスタートで、6月末に発売したメレンゲ菓子の大コケからしばらくはメレンゲはやっぱり売れないと思い込んでいたので、全く違うお菓子を作っては発売して反応を見るという日々が続きました。

過去にもこういう状況は何度も経験しているのですが、毎回心掛けているのは、何をしたらいいか分からなかったらとにかく新しいものを作れ、ということです。悩んでるヒマがあったら作れ、考える時間なんて無い、とにかく手を動かせ。ということです。

で、結果、こうなりました。

この1年間で販売した商品の一覧です。

ほぼ半年で作った新商品は220アイテム。狂ってる。

購入してくださった方も多いと思いますが、200アイテム以上の商品を発売して、1個しか売れなかったもの、1個も売れなかったもの、そんなものばかりです。

メルマガも配信せず、リリースも配信せず、ただサイトに商品情報を登録しただけで売れるはずもないんですが、商品が「ささる」商品だった場合、まったくプロモーションをしなくても売れるので、「ささる」商品が出るまで、「ささらない」商品をひたすら量産していくことになります。

何でそんな無駄なことをするのか、と問われれば、売れない商品を作って潰していく作業が一番効率がいいからです。商品を企画したり作っている時点では売れない理由は分からないけど、販売した後だと売れない理由は見えてきます。ひたすらサイクルを回していくことでしか見えないものがあるわけです。

早いものだと、発売して数時間でリストから消した商品もあります。アクセス数はウソをつかないので。

ヒット商品をだすというのは、打ち上げ花火的に思われていますが、実は地道な積み重ねの結果として、ヒットするべくヒットするというのが正解だと思ってます。

とはいえ、経済的な状況はと言うと、「かなりヤバい感じ」であることは変わらない状況ですが、本当に詰んでしまわない限り、僕は淡々と仕事をするタイプなので、この1年間ずっと黙々とヒット商品を出すべく仕事をしてきました。

平気な顔して縁起の良いふりかけを作るのがいいね。

2024年という年は、僕の今までの人生で一番苦しかった1年だったように思います。

経済的に苦しいよりも、苦境を脱出できない自分の能力の低さに心が折れそうなほど苦しかったです。

本当に経済的にパンクしてしまったら僕が死んでしまえば良い話だし、若い頃の貧乏期間が長かったのでお金が無いことで辛いとか思うことはありませんでした。むしろ貧乏な方が楽しいくらいです。

また、お金が無くなったことで、外食機会とかもゼロになったので、全ての食事を僕が作るようになり、二人で一食200円くらいの材料費で本格的な世界の料理を食べる事ができました。血液検査の結果もなんか良くなってたし。

経営が改善するまで時間がかかるのではないかと予想していたので、早い段階でパスタを40kgとか買い込んだり、イスラム横丁に行ってバスマティライスと豆とスパイスを大量に買ってストックして、長期の籠城戦に備えていました。

和食の材料は総じて価格が高いので、国産米や生野菜の購入は控え、肉も買うのをやめてインド産の豆に切り替えたりしながら、ワイフが痩せてしまわないように頑張って毎日料理を作りました。パン屋さん時代に使っていた小麦粉などもいざという時のために真空パックして備蓄していたので、バゲットを焼いたりしながら、ローテーションを組んで食事が苦痛にならないように努力しました。若い頃に見た経営者の姿を思い出して、食事が楽しめないと苦境を脱することはできないという教訓は大切にしていました。

ただ、

この状況が半年、1年と続くとは予想していませんでした。

1月から本格的にスタートした再建計画ですが、実のところ再建までのロードマップなどは白紙で、僕も脳梗塞を患って以降、昔のようにアイデアがポンポン湧き出てくるような感じではなくなりました。

1月〜6月(支援を募る前の期間)にリリースした商品はこんな感じです。

完全に迷走していました。

ただ、4月に出したカルパトカについては、その後数ヶ月間に渡って経済的な支えとなってくれたので、助かりました。もう僕自身の脳では新しいものが生み出せないと仮定して、しばらくは慣らし運転にとどめて、代わりにまだ日本で知られていないものを引っ張ってきて売ろうという、バスクチーズケーキやマリトッツォ的な考えですね。考えただけで反吐が出ますが、それでも生き残るために必死でやりました。

ただ、これもヒットまではいかなかった。

最近も同業界の友人と話していて思うのは、コロナ以降にスイーツ業界にヒット商品無し、ムーブメント無し、という謎の現象が続いているんですよね。コロナ前に確立していたブランドがコロナ後にコラボや何かで拡大しているだけ、と言う感じです。あとは、駅構内や商業施設にテナントを出してる企業の独壇場になってて、微弱なトレンドはそこから出ているくらいです。

今までやってきたような、僕みたいな野良からヒットを繰り出すのはかなり難しい状況になってしまっているのは確実なのではないかと思います。

 

6月末に支援をお願いするブログを書いて以降も、これという決定的な打開策を打つこともなく、ただただ毎月末の支払いのお金を作るために「売れそうな」商品を作っては販売するという抜け殻のような日々だったように思います。

ベイクドバターケーキは価格の安さも手伝って初動から売れましたが、たびたび悩まされる「それ以外買われない現象」に陥ってしまい、ウチの送料支払い負担だけが増えて経営はさらに悪化、商品価格の安さで売れる商品は経営の足を引っ張ると言う結果となりました。

7月末にリリースした、さらに低価格帯の新ブランド「ふりちん」は初動が全くダメダメで、しばらく低空飛行だったのですが、11月に入ってから急に伸び始めました。数ヶ月もしたら「ふりちん」だけで家賃が払えるようになるかもしれないと期待しています。

対メディア用に開発した「ふりちん」が、メディアにスルーされ、発売から4か月後に謎にジワ売れしているのを見ると、メディア露出を狙うよりも、お客さんに選ばれる商品をしっかりと作っていくことの方が、今後は大切になってくるのかなあとか感じました。

で、「ふりちん」は年内に50アイテムまで増やすぞ!と息巻いてましたが、32アイテムでストップしちゃってます。まだ出してない弾はあるんですが、リリースしても無反応という状況がここまで続くと、おいそれとやれないよねえという雰囲気になってきてます。

まあ、言うても出しますけどね。

干支ふりかけ、シーズナル&可愛いの秀島方式の真骨頂

と、ここまでだらだら怠惰な経営日記みたいなことを書いてきましたが、ここまでの話、昔と大きく違う事があるんですよね。商品が売れる売れないは商品と社会のコミュニケーションの結果、社会とフィットするか・しないかなので、出した商品が売れる・売れないかはいちいち気にしないのですが、ここ数年、商品が社会と接する機会すら無くなってるんですよね。簡単に言うとプレスリリースを配信してもメディアが全く反応しなくなっていると言う事です。

これは同業界の人と話しても同じ意見が出てきます。

「ふりちん」なんか、そもそも社会の隅っこを攻めた画期的な商品なんですが、箸にも棒にもかからない結果になっちゃってます。切り口的には普通に合格点がある商品なんですが、なぜここまでスルーされるのか、多分「ふりちん」という名前が問題なんでしょうけど。わかってるのに面白くしようとしてやってる時点でダメなんですけどね。

「ふりちん」は久々に出した対社会、対メディア用の秘密兵器だったんですが、メディアの担当者にかすりもしなかった。これが大きな誤算でした。

どんだけ時間をかけて、試作して、お金をかけても、メディアからスルーされると世の中に存在していないことになってしまう。これが一番怖い。だけど、僕の商売の考え方の基本は「社会が動かないと人は(日本人は)モノを買わない」というスタンスで、SDGsだの、アップサイクルだの、持続可能だのというお題目を引っ付けて売る姑息なことはせず、商品自体を社会に問うというスタイルです。裏から手をまわす余裕もないし。

となると、今後はプレスリリース無しでやっていくしかなくなってくるわけです。これは本当にキツいというか、ヒット商品を出せる確率がほぼ0%まで下がる、というかヒット商品を出すなんてほぼ不可能。

と考えたら今後のやり方を大胆に変えないといけないな、という気がします。

まだ答えは出ませんが。

こういうのを作るのが得意な秀島です。

で、支援を募ってからここまでの半年間、やってみてどうだったか。

結果だけを言うと、

「方向性がやっと見えた」

と言う感じです。

ほぼ1年間、出口が見えないまま矢鱈滅多にやってきましたが、12月に入ってから、あるアイデアが突然ひらめきました。

作業してるワイフを呼んで、塩をふったバターをメレンゲで挟んで食べてみたんです。二人とも顔を見合わせましたね。これはウマい!と。美味しいというより「脳に来る」スイーツ。すぐに商品開発を始めました。メレンゲを飾り付けるパイピングの技術もまあまあ何とかなってきていたので、見た目の美しさとバターとメレンゲの脳に来る美味しさを両立させるべく、毎日徹夜で作業しました。

他にない商品で、しっかりと美味しい、そして美しい、しかも脳に来る。すべての条件を兼ね備えたスイーツ、それがブール・ムラング。あきらめずに研究し続けたメレンゲ、そしてメレンゲを美味しく食べるのではなく、メレンゲが一番引き立てやすい食材は何かを考えたとき、その答えはバターだったんです。

そもそも食べるバター専門ブランドだったカノーブルなので、バターの加工はお手の物。バターとメレンゲを一緒に食べると脳に来る美味しさ、ああ、年内に間に合った~!やっとこれで支援してくれた人たちにも良い報告ができるぞ!よっしゃ!いったれ~!という感じです。

自信作のメレンゲのデコレーションケーキ

メレンゲで板バターをサンドしたブール・ムラング

夢見るバター Beurre Rêveur(ブール・レヴール)

うほっ!かわいい!!

おっしゃ!!これでいくで!!

必死でやった甲斐あって最高にかわいいスイーツができました。

しかも美味しいどころか脳に来る、かわいいし、品がある佇まい、目指していた商品がやっとできました。1年間ずっと試行錯誤し続け、失敗&失敗、失敗of失敗を繰り返し、やっとたどり着いたメレンゲスイーツの最適解。1年かかったけど、ここまでの失敗の積み重ねがブール・ムラングを生み出すために必要だったのか、としみじみ思いました。

いざ発売すると、即ヒットの兆しは見えませんが、この1年では一番良いスタートを切り、メルマガ配信前から順調にオーダーが入りました。

これはいける、

いけるぞ!

久々に興奮しましたねえ、なにせ1年間苦しみぬいて生み出したメレンゲとバターのスイーツ、完成度も高く、売上も好調、言うことないです。これでしばらく続ければなんとかなるか~!

 

まあ、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、大体こういう時にピンチがやってきます。実際、その通り最大のピンチを迎えるわけです。

 

ブール・ムラングが手元に届いたお客様から

メレンゲがバキバキに割れている

という地獄の報告がXのリプライで届きました。

お客様から送っていただいたメレンゲ割れ画像

お客様から送っていただいたメレンゲ割れ画像

ぎょえ~~!!

見事に割れてました、バキバキに。

半年間、試行錯誤してたどり着いた答えが「メレンゲは通販に向いていないよね」という答え合わせをしただけ。という結果に。

発送テストはしたのですが、遠隔地だとどうにもならない状況でした。もうお手上げだとワイフは涙ぐむし、僕も一瞬背中に冷たいものが走りました。これで終わりかなあ。

まあ、メレンゲだから割れるよね。

そんな簡単なことが浮かばないくらい、追い詰められていたんですね。実際、多くのお客様が「他でメレンゲ買った時も割れてることあったから気にしちゃ駄目よ」と温かいお言葉をかけていただきましたが、今回のメレンゲバキバキ事件は僕の中では「失敗」として刻んでおきたかったので、購入してくださったお客様には購入額の50%のクーポンをお送りしてお詫びしました。いつも通りの返金対応だと、その瞬間に会社が潰れてしまうので、本当に申し訳ないです。

この時、12月売上の早期入金期限までにはリリースしてメルマガを配信して少しでも売り上げを上積みさせて、と計画を立てていたんですが、僕の作業がまったく進まず、リリースもメルマガも配信できず、12月売上の早期入金期限は過ぎていました。これで終わりだね、とワイフと今生の別れをしたら、ワイフは泣き出すし、僕も全身の血の気が引く感じで吐き気がするし、もう終わりだ、と覚悟を決めました。

そのタイミングでメレンゲバキバキ事件の第一報がXのリプライで届いたわけです。ワイフも僕も絶望のどん底に突き落とされました。本当に、これで本当に終わりだね。僕は泣いてるワイフの肩を抱きながら次の一手を探っていました。

ワイフはずっと泣いていましたが、メレンゲが割れていたとの一報を見て、僕はすぐに正気に戻っていました。日本でメレンゲが好まれない理由、プレスリリースにも書いたけど、ずっと味や価格がネックになってるのかなあと思ってたんですよ。でも実際に販売して分かったのは、もっと大きなネガティヴ要素でした。

「メレンゲが流通しないのは破損リスクかあ」

 

prtimes.jp

メレンゲ商品、半年間、悩みに悩んでリリースが遅れたけど数字的には今年色々試した中では初動は良い方でした。発売がもう少し早ければ余裕で12月を越せたかもしれないです。

しかし、もし、発売やリリースがもう少し早くて売り上げが好調だったら、新規のお客様がたくさん購入して、そのすべてのメレンゲがバキバキに割れていたとしたら、メレンゲバキバキ事件の影響は計り知れず、その時点でアウト、速攻で会社は終わっていたと思います。

ん?

運がいいのかもしれないぞ?

運命を変えたクラウドファンディング

結果的にメレンゲはバキバキに割れて、夢までボコボコに壊れて、1年間を丸々無駄にしてしまったわけですが、それでも僕はこの半年間メレンゲに取り組んで良かったと思っています。

作ったこともなく、おまけに僕自身がメレンゲを食べたこともなかったのに、ゼロから研究して半年間をかけて作り上げてきたメレンゲ。おかげで新しい製法や技法、素材の加工までものすごい種類のレシピを生み出しました。

たとえ、明日支払いが詰まって会社が潰れるとしても、技術とアイデアとタイミングが合えば1日で運命は変えられると信じている単純者です。

まあでも、年末を越せるかどうかの分水嶺を超えてしまったので、最後ここで踏ん張らないとみんなからの支援に応えることができない。来月には電気も止まりそうです。そうなると物理的にジエンド。

そんな進退窮まった状況でも頑張り続けてこられたのは、クラウドファンディングを購入してくださったお客様や、この一年いろいろ支えてくださったお客様がいてこそ。特にクラファンでは、時間がかかったけど商品が揃うまで待ってくださって本当に感謝してます。

結果的にメレンゲはバキバキに割れてたけど。

そんな感じで今まで奇跡的に生き残ってきました。6月末の皆さんからのご支援、決算後に振り込まれた消費税の還付金、ワイフが仕舞ったまま忘れていた封筒入りの現金、そして、最後のお金の存在がワイフの口から出ました。

義母の介護費用を積み立てていたのを引き出してくる。

僕はやめておいた方がいいと言いました。お金が助かったところで商品が売れなければ、ヒット商品が出なければそのお金は死に金になる。僕もいろいろ手を尽くしたけど、今の社会の動向だと思い描くような売り上げは難しいよ。

義母の介護費用の積み立てを取り崩してなんとか支払いを終え、僕はしばらく考えていました。

ここまでメレンゲを追求してきたけど、メレンゲだけで食えるようになるにはある程度時間がかかる。食えたとしてもギリギリ食えるラインでしかないと考えてる。あと、メディアの動向や、国内でのメレンゲに対するイメージを考えると、この先メレンゲがブームになることは無いのではないか。

とすれば、メレンゲだけでやるのはムズイ。しかも、「ふりちん」も単価が低いので売れても大した額にならない。ただ、メレンゲもふりかけ同様にジワジワと売れる可能性はある。しかし、ジワジワがどのくらいの時間かが予測不可能なので、メレンゲをメイン商品として据えておくことはやめた方がいいと判断しました。

しかし、ここまでの半年間、カルパトカやバターケーキ、キャロットケーキなんかを作ってなんとか凌いできたけど、コレという決定打が無かった。自分らしく無いものを作っても、身につかない商品はやはり続かないということだろうし。

さて、ここから数日どうしようかと、いろいろ頭を悩ませていました。結局最後に自分を救ってくれるのは自分の頭で考えた商品でしかない。メレンゲはやり尽くした感がある。我流だけどテクニックも相当身についた。展開方法も、ラインナップを落とし込んでいくやり方もさまざま試して学んできた。この技術を切り捨てて無駄にしてしまうのさことは無いと思う。

メレンゲとバターは相性が良い。でも、もっと美味しい完成度まで上げるためには合わせるバターを加工する必要がある。その加工方法は今までとは全く新しい手法。

メレンゲも、無理にメレンゲに執着する必要なんて全くない。発送すればバキバキに割れるんだし、だったら僕が開発した独自の製法で、全く違うお菓子を作り上げればいいじゃないかと思いました。

年の瀬が迫る2024年の12月末、

メレンゲバキバキ事件から5日が経ち、僕は一つの新しいお菓子を生み出しました。

 

この状況でも新しいものを作るっていうのが生き方

それがシュクレールです。

「シュクレール(Suclair)」は、フランス語で「砂糖」を意味するSucreと「空気」を意味するAirを組み合わせた言葉。砂糖のピュアな甘さと、空気のように軽やかな食感をイメージした、まるで雲のようにふわりとした新感覚のスイーツの誕生です。

シュクレールは、これまでにない製法で生まれたお菓子です。お砂糖に空気を含ませたその独特の食感は、サクサク、ザクザク、そしてしゅるりと溶けるような驚きの軽さと甘さを持っています。

このピュアなシュクレールに、フルーツやナッツ、キャラメルなどの素材とともに仕上げたブールサレ(塩バター)を組み合わせて、ビスキュイやカリカリに焼き上げたアーモンドクリームを忍ばせています。

ほんのりとした塩味が甘さを引き立て、さらに深みのある味わい。

もちろん宅急便で送ってもバキバキに割れたりはしません。

 

シュクレールの美しい断面

One and only product.
One and only experience.

「お菓子の概念を変えるような新しい体験を届けたい」。ずっと持ち続けた思いから、何度も試作を重ねました。この5日間ほとんど寝てません。
空気を取り込むように仕上げたシュクレールの製法を生み出し、その軽やかさにブールサレの濃厚なコクと絶妙な塩味を加えることで、甘みと塩味、そして素材の風味が織りなす新しい味覚を作り上げました。CANOBLE創設時に思い描いた第6第7の味覚の創造。

2024年、1年間あきらめずに商品開発だけをやり続けてきました。

365日目に生まれた新たな希望、それがシュクレール。

365回の失敗の末に2024年の最後の日に生み出した1年間の答えです。

2025年は、僕が発明したスイーツふりかけという新カテゴリー「ふりちん」と、同じく僕が発明したシュクレール技法で新たにリプロダクトした「食べるバター」BEURRE AROMATISÉ(ブール・アロマティゼ)、そして2024年のすべてを注ぎ込んでバキバキに割れたブール・ムラングは店頭販売のみというラインナップで行きます。

主力商品は「ふりちん」と「シュクレール」。

最後まであきらめずにやります。

応援よろしくお願いいたします。

秀島

 

depa.stores.jp

 

1年間の努力は水の泡となりましたが、2025年に向けての新しい方向性は決まりました。ただ、12月に入ってからなのでいろいろ間に合わず、しばらくすると電気も止まる予定です。

僕にもう少し時間をください。

ご支援いただける方はこちらの口座にお願いいたします。

振込み名義にメールアドレスもご記載いただけると助かります。

 

GMOあおぞらネット銀行
法人第二営業部(102)
口座番号:1167052
ナショナルデパート(カ

 

三菱UFJ銀行
岡山支店
口座番号:4815464
ナショナルデパート(カ

 

東京工場直売所年末年始特別営業
12月28日~31日: 12:00~17:00
特別販売日程: 年明け0:00~2:00
1月1日~5日: 9:00~17:00

お店の場所:https://maps.app.goo.gl/KiFzVJRwcit3jXXg9