週末にマルシェイベントで買い物したら、サラリーマンの税負担が大きくなる。税における不公平について。

【お知らせ】
2015年10月31日、焼き立てグランパーニュが買えるお店がオープンします！
当日はいろいろご用意してますので、みなさまぜひ！！

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いまやマルシェイベント花盛りです。

ハンドメイド作家や手作りのパンやケーキを販売している人も多くなってきました。そんな人たちが、週末のマルシェイベントに出店して、普段は出会えない多くの人たちに自分たちの作ったものを知ってもらう、大切な機会となっています。

だがしかし、

マルシェに出店しているそこの人、ちゃんと売上を計上していますか？もしあなたがマルシェイベントの売上を申告しなかった、あるいは過少に計上した場合、サラリーマンの税負担が上がり、巡り巡ってあなたのお店の売上を奪っていくかもしれませんよ。という話。

税の捕捉率は、給与所得者は10割から9割、自営業者は約6割から5割、農業、林業、水産業従事者は約4割から3割の「トーゴサン」（100%-50%-30%）とか「クロヨン」（90%-60%-40%）と呼ばれているそうです。

www.integrity.or.jp

サラリーマンは給与所得が完全に把握されているために脱税なんて出来っこありませんし（副収入はどうかしら）、自営業者なんて好き放題に脱税してるだろうし、農林水産業なんてコンシューマ向けに直売したらそりゃあ税の補足なんて出来っこないですよ。

見知っている飲食業者でも、換気扇が付いてるからというので厨房のコンロで売上伝票を燃やして火災報知機を鳴らせてしまうとか、追徴課税が数千万きたのに怒って関係各所に街宣車を飛ばして関係者に土下座させたりと、そりゃもうやりたい放題やってる人もいます。

お前のところも自営業者だろうが！と言われる向きもあるかもしれませんが、ウチの売上は駅のデベロッパーや取引先のデパートや取扱店さまからの銀行振込、通販の売上もカード会社経由ですべて登録している統一の銀行口座に入ります。ですから売上は全部筒抜けです。しかも本社工場から歩いて1分もしない場所に税務署があって、捕捉率200％の勢いです。

数年前に税務査察が入り、何日間も調べていただいたことがある経験上、商売をする上でお金の流れに不明瞭なことがあると、疑いを持たれるということがよく分かったので、ちゃんとした会社になるために今の商売のスタイルを形作りました。

で、マルシェイベントに出店してる人はちゃんとイベントの売上を計上しているでしょうか。たぶんほとんどの人が売上を計上していない、または過少に計上していると思います。実はマルシェイベントの出店者には個人事業の届け出もしていなくて、確定申告すらしていない人も多いんです。

映画やニュースで「脱税」として取り上げられる大きな事件よりも、おそらく現金商売をしている小規模の個人規模の人たちの脱税額のほうが大きいのではないかと思います。自営業者が払うべき税金や収入の約半分が補足されていないのです。

税金の無駄使いが問われたりする昨今ですが、国や自治体を運営するにはやはり維持費がかかります。その維持費を収入や出費の度合いによって負担していくのが税金です。その税金を払わない、税金の対象となる売上を誤魔化すというのは、収入や税金を完全に把握されたサラリーマンの税負担を大きくしているだけなのです。

過日施行されたマイナンバー制は、所得の捕捉率を上げるのも狙いのひとつとされています。しかしこれは給与として発生した所得の把握であって、個人間の商取引や、自営業者の闇商売の売上を補足するには全く足りません。マイナンバーでより一層給与所得者の補足率が上がり、マルシェイベントの出店者の所得は闇に隠れたまま。

いわば、売上を誤魔化すマルシェイベントの出店者は、その他の真面目に税金を払っている人たちの支えているインフラにタダ乗りしている人たちだといえます。

マルシェイベントで売上の報告をお願いしているところもあるのですが、なかなかみなさん報告したがらないようです。それは、マルシェイベントが出店者にとって人気な理由のひとつに、売上金の動きが不透明で済むことがあるからです。

週末にマルシェイベントで買い物したら、サラリーマンの税負担が大きくなる。というのは言い過ぎですが、売上を補足できない商いが増えてくると、税収はより下がり、正しい申告をするということに背を向けた自営業者はより一層の脱税に踏み込んでいくと思います。

これからマルシェイベントに足を運ぶときには、そういう視点で出店者を見ても面白いと思います。