アイデアのスープのレシピ

アイデアのレシピ集

感動する味とはなにか

@××××××× ナショナルデパートさんのカンパーニュですが、ハードルを勝手に高めていたためか、「感動!!」っていうほどではありませんでした(>_<)。でも、確実に美味しいことは確かです。そして、幸せな気分になれます(^^)。機会があれば、是非、お試しください。

Twitterで見かけたんですが、この方は気をつかってくださって優しい方だと思います。ありがたいですね。「感動しない」というのはよく言われるセリフです。これについて反論は無いです。僕のパン作りは卵やバターを使わずに最低限の砂糖だけを使用して作ることができるギリギリの味を目指しているので、一般的に言う「感動」する味というのは現行商品では無理だと思っています。

では「感動する味」とは何かということになるんですが、ブログなんかでウチがdisられる場合、ほとんど同じ傾向が見えてきます。ブログのエントリーで同じ日に買い物したお店や食べたものを見ているとよく分かります。以下は実際にある方がブログに書かれていたもので、だいたいこのような感じのパターンが一般的です。この方は高円寺店に行かれたらしいです。

○○でチーズケーキを食べる「感動~♡」

(コーヒーとセットで950円)

ナショナルデパートでカンパーニュを買おうとするも、高い!!50グラム1枚だけ切ってもらう。別に感動するほどでもないし。

(カンパーニュ50グラム1カット189円)

○○でクロワッサンを買って食べる「感動~♡」

(他にデニッシュやいろいろ買って2000円)

○○でジェラートを買って食べる「感動~♡」

(カップ590円)

だいたい以上のような感じになりますね。パン好きブロガーの一部の人たちは徹底的にウチを叩きます。なぜか、一つの理由はウチのパンはバターや卵が入っていなくて砂糖の使用量も甘さを感じるまで入れていないので「味が薄い」ということになり、コストパフォーマンス(ブロガーさんはコスパと略す)が悪いという評価につながるからです。いろんな色が付いているので濃厚な味を期待されていたのでしょう、想像していた味と違うというのは嫌悪につながります。また、ブロガーさんは賢い消費者の代表なのでコストパフォーマンス(ブロガーさんはコスパと略す)が悪いものに対しては躊躇なく叩きます。それはごもっともだと思います。

例にあげたあるブロガーさんの買い物ロードですが、ウチ以外のお店では乳製品や砂糖がたっぷり入ったものを食べられているようです。濃厚なチーズケーキ、バターたっぷりのクロワッサン、ミルクと砂糖たっぷりのジェラート、言葉だけでも味が想像できるものばかりです。書いているだけで僕もなんだか食べたくなってきました。こういった味の濃いものとカンパーニュを並べて評価されると「ガッカリ味」という結果になるというのはよく理解できます。

「味が薄い」という声は昔からよく出ていましたが、これは「味が薄くなった」のではなく「味を薄くしている」わけで、そうすることで飽きずに食べられるようにしているわけです。ただ、最近よく言われているように日本人の味覚の変化は、どんどん味が濃い食べ物へと嗜好が移ってきているように思います。こういう状況にあって薄味のものを作り続けていくことにメリットが無くなってきているのも事実でしょう。

さて本題ですが、「感動する味」とは何でしょうか。パンなどを好んで食べられる方を対象とした場合で簡単に言うと、「分かりやすさ」と「濃い味」だと言えると思います。最初に引用したTwitterの文章ですが、

ハードルを勝手に高めていたためか、「感動!!」っていうほどではありませんでした(>_<)

このように人は見たことのない食べたことのないものに対していろいろなイメージを膨らませます。さぞかしおいしいのだろうなと思ってハードルを上げてしまうわけです。文末に「(>_<)」というAAを使用していることからも、さぞかしガッカリされたのだろうなということがうかがい知れますね。では、この人に対して感動する味を提供しようとした場合、どのようなアプローチをとれば良いのでしょうか。

答えは簡単なんですが、味を濃くすることです。フレーバーももっと強く出るようにしたほうが良いでしょう。果汁を2倍以上入れて、砂糖もきっちりと多く添加したほうがいいでしょうね。あとは食感を良くするために生地はカンパーニュではなくて油脂(マーガリンとかを好む傾向があります)や卵の多く入ったものを使用したほうが良いと思います。この場合、初見のお客様の想像を超える味の濃さがあれば納得してくれると考えます。今回例に挙げた方々はごく一般的な意見を持ってらっしゃる方々です。商売をする上でこの一般的な感覚を持つ方々に愛される商品を作らないといけません。

というわけで、新しい商品の開発をしています。今月末頃には発表できると思います。前置きが長くなりましたが新製品開発のお知らせでした。では。