アイデアのスープのレシピ

アイデアのレシピ集

「モノからコトへ」の強迫観念が私たちから個性と創造性を奪ってるんじゃない?

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パリの百貨店ル・ボン・マルシェで販売され、ヴェルサイユ宮殿公式ブランドとコラボレーションも果たした奇作「女王製菓」

 

クラウドファンディングを機に再開したブログも4日目となりました。

200万円に達しないと岡山店は閉店になってしまうので、みなさん応援よろしくお願いします!

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さて、

「モノからコトへ」

この言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

「モノ消費」や「コト消費」とかとも言われますね、所有から体験へ、最近だとシェアリングエコノミーとか、いろんなのがありますね。

 商品の所有に価値を見出す消費傾向を「モノ消費」、商品やサービスを購入したことで得られる体験に価値を見出す消費傾向を「コト消費」といいます。

  

この「モノからコトへ」というのは「体験」を重要視していて、最近だとUX(ユーザー・エクスペリエンス)とか、CX(カスタマー・エクスペリエンス)とか言われて持ち上げられていました。

これは昔から経済のソフト化などといろいろと言葉を変えながら現在までしつこく言われている言葉と同じですね。

まあでも、UX!UX!と騒いでいた人たちも、今ではもう次のおもちゃを見つけて言葉遊びをしているようなので、また言葉だけを輸入してコンサルの飯のタネにして消費されてしまった感じします。

 

「モノからコトへ」のブームが体験を画一化した

「コト」を体験する場や、「コト」が起きるための「モノ」が必要になる。

個々人で体験は異なるとは言え、一時期のブームで雨後の筍のように全国に乱立したゲストハウスや、マルシェイベントなんか、もうどれもコピーだらけで、どこに行っても同じ体験しかできなくなってる。違うのは場所ぐらい。

ネットやテレビで見たよその土地にあるものを追体験するために、全国で似たような体験サービスがどんどん増える。

物産展では見分けがつかないくらい似通ったパッケージデザインの土産物が並ぶ。

「コト」は個性を奪ってるんじゃないかと思うほど。

 

コトを追い求めるとトレースが増える

みんな「コト」を生み出すための「モノ」を生み出す、というのを忘れてるんじゃないかなって思うんですよね。

アプリの挙動を変えてUXを向上!効果測定で良い結果が出ました!っていうの、それはそれで良いんですけど、そのアプリが動いているスマホは「モノ」なわけです。

最近多いのが、結果の出ているサイトやアプリのデザインをトレースするというものなんですが、その結果として、もうどんどん似てくる。

良いものはパクればいい、というの間違ってないかもですが、「モノ」だとパクリはすぐにバレる。ならば体験までの導線をパクる。

 

 

ここで思ったことがあります。

「コト」「コト」言ってる人たちって、

 

もしかして、新しい表現や新しい技術を生み出せないんじゃない?

 

「モノ」を作るって大変なんですよね。

最初は受け入れられない、最初は失敗作を世に出してしまうかも知れない。批判を受けるかも知れない。

質量があるプロダクトはリリース後に修正するのもコストがかかる。市場に出したあとに社会にフィットさせようにも、アプリやWEBのように簡単には変えられない。

質量のある「モノ」は感じ方があやふやな「コト」よりも、人の知覚に触れるエッジがシャープなんですよ。そこをどう設計するかと言うのは本当に大変。

ひたすらユーザーに寄り添うのが是とされる昨今の風潮、でも、本当に成功している事例は独善的に追求されたテクノロジーの上に成り立っているような気がするんです。

「神は細部に宿る」 

ユーザーに寄り添い過ぎてツギハギになったプロダクトを回すのもいいかもですが、批判覚悟、いますぐのレスポンスが無いのを承知で新しい表現や新しい技術を生み出すのが、未来に体験できる「コト」の可能性を広げるような気がします。

 

今日もなんのこっちゃ分かりませんが、 クラウドファンディングよろしくお願いします!

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